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実戦コラム

違いが分かる技術用語・特許用語(20)

27. 穴の種類

 今回は、先月までに説明していない、穴の種類について述べる。

① aperture(開口、光・空気などが通る穴、隙間、レンズの口径)

 もともとは、カメラや望遠鏡に入る光量調節用の穴を意味していたが、技術分野では特定の目的を持った小さな穴や隙間の意味でも用いられている。

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【用例1】Some of the deposition material passes through the apertures 302slots 304 and high aspect ratio openings 308 of the stencil 300 and forms approximately a 2-3 mm layer of material on the surface 210 of the chuck 200 to form the desired features. (USP. NO. 6,214,413)
堆積物質のいくらかは型板300の開き口302スロット304、および縦横比の大きい(=細長い)開口308を通り抜けチャック200の表面210に約2~3μmの材料層を形成し所望の特徴構造を持たせる。

この例で、featuresは微細な凸部のことを意味する。


② bore(きりなどであけた穴、試掘孔、銃や管などの内腔)

 boreは「穴」、「穴などの内径」、「管の口径」、「穿孔機」などの意味を持つ名詞であるが、「掘る」、「くりぬく」、「えぐる」などの意味を持つ動詞としても使用される。日本語でも地中に穴を開ける「ボーリング」というカタカナ語がよく使用されている。このように、boreは穴の形状よりや穴の形成過程に重点が置かれた表現と言える。

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【用例2】 The piston 1104 moves within a bore 1108 of the valve body 1102 with the position of the piston 1104 related to the pressure of a fluid at the inlet port 1112. (WO2006/118924)
ピストン1104は、ピストン1104の位置が入口1112における流体の圧力と関係した状態で、弁本体1102の内部空間1108の中を移動する。(特表2008-542633)

ピストンの内部空間は英語ではboreと呼ばれることが多い。ただし、日本語ではピストンのシリンダーの内径のことを「ボア」と呼んでいるので、この公報の訳では「内部空間」となっている。英語でもboreの代わりにinternal cavityを使用している例が見られる。

 

 

 

③ cavity(空洞、穴、虫歯)

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虫歯の穴のように何かの内部にある穴または空洞を意味する。解剖学では「腔」の文字が割り当てられる。最近では「キャビティ」というカタカナ語が増えている。

【用例3】In such cases, it is not necessary completely to fill the cavity 14 with polymerizable adhesive 24 prior to fixturing. (USP. No. 4,422,891)
このような場合は、固定に先だって重合性接着剤24で空洞14を完全に埋める必要はない。

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【用例4】Cavity enhanced absorption spectroscopy systems (200) and methods for detecting trace gases using a resonance optical cavity (204), which contains a gas mixture to be analyzed, and a laser (201) coupled to the cavity (204) by optical feedback (with the phasor 220). The cavity (204) has any of a variety of configurations with two or more mirrors, including for example a linear cavity, a v-shaped cavity and a ring optical cavity. (WO2014/070952)
キャビティ増強吸収分光法システム(200)、および分析すべきガス混合物を含む共鳴光学キャビティ(204)と光フィードバックにより(フェーザ220を用いて)キャビティ(204)に結合されたレーザ(201)とを用いて微量ガスを検出する方法。キャビティ(204)は、例えば線形キャビティ、V字型キャビティ、およびリング光学キャビティを含む、2つ以上のミラーを有する様々な構成のうちのいずれかを有する。

  上記特許に出てくるoptical cavityは光共振器(optical resonator)のことで、光波の定常波のための共振器を形成するよう配置された鏡を主要素とする光学機器を意味する。


④ inlet, outlet(吸い込み穴・吐き出し穴)

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機械装置の気体や液体が流入あるいは流出する部分を指す。「吸い込み穴・吐き出し穴」などと呼ばれる。形状は限定されない。

【用例5】
The buffer channel 14 includes a chip inlet 141 for inputting buffer solution to the chip 10 and a chip outlet 142 for removing the used buffer solution from the chip. (USP. No. 6,849,459)
緩衝流路14は緩衝溶液をチップ10に送液するチップ流入口141とチップから使用済みの緩衝溶液を吐き出すチップ流出口142を持つ。

 

 

 ⑤ countersink(皿穴)

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ねじやボルトの頭が締結したものの表面と面一になるかあるいはその面より低くなるような、上部が広がった穴を意味する。また、そのような穴を作る道具を指す場合もある。

【用例6】A pinion gear 12 has a throughbore 14 with inclined sides 16 to define a frustoconical configuration and a countersink 18 on its upper surface to frictionally accommodate an inverted bronze clutch cup 20 having a frustoconical configuration. 
 ピニオンギア12は円錐台形状を定義する傾斜側面16を備えた貫通孔14およびその上面にブロンズ製の円錐台形状の逆さクラッチカップ20に擦り合わせではまりあう皿穴18を持つ。

 

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